「トイレの臭いが気になるけど、原因がわからない」そんな悩みを抱えるマンション居住者のあなたへ。その原因、もしかしたら「封水切れ」かもしれません。特にマンションでは、構造上の問題や生活習慣などが複雑に絡み合い、封水切れが頻繁に起こりがちです。今回は、そんな悩みを解決するために、封水切れの原因特定から、自分でできる対策、そしてプロに依頼すべきケースまで、徹底的に網羅した完全版ガイドをお届けします。まず、封水とは何か、その役割を改めて確認しましょう。封水とは、トイレの排水口に溜まっている水のこと。この水があることで、下水管から上がってくる悪臭や害虫の侵入を防いでくれる、いわば「蓋」の役割を果たしています。封水が正常に保たれていれば、トイレは常に清潔で快適な空間であるはずです。では、マンションで封水切れが起こる原因を、徹底的に見ていきましょう。排水管の構造:マンションでは、複数の住戸の排水が1本の排水管に繋がっていることが一般的です。そのため、他の住戸で大量の水を流したり、排水管が詰まったりすると、排水の流れが変わり、封水が引っ張られてしまうことがあります(サイホン現象)。また、排水管の勾配が不十分な場合も、排水の流れが悪くなり、封水切れの原因となります。負圧の影響:高層マンションなどでは、換気扇の使用や窓の開閉によって室内の気圧が下がり、排水管内の空気が引っ張られることがあります(負圧)。この負圧によって、封水が吸い上げられてしまうことがあります。特に、気密性の高いマンションでは、負圧の影響を受けやすい傾向があります。長期間の使用停止:旅行や出張などで長期間家を空ける際、トイレを使用しないと、封水が蒸発してなくなってしまうことがあります。特に、夏場など気温が高い時期は、蒸発が早まり、封水切れを起こしやすくなります。節水型トイレの普及:近年普及している節水型トイレは、洗浄に使用する水の量が少ないため、封水が蒸発しやすく、封水切れを起こしやすい傾向があります。また、節水型トイレの中には、排水時の水流が弱く、封水を保つことが難しい機種もあります。