新しい部屋での生活にも慣れてきたある日のこと、私はキッチンに立つたびに感じる、ある違和感に気づきました。それは、シンクの下の収納扉を開けるたびに、もわっと立ち上ってくる、下水とも生ゴミともつかない、不快な臭いでした。評判の水道修理の池田市で排水口を交換するリフォームで、ゴミ箱のせいかな、と軽く考えていたのですが、ゴミを捨てても、収納スペースを綺麗に拭き掃除しても、その臭いは一向に消える気配がありません。賃貸物件だから、あまり大掛かりなことはできないし、かといってこのまま我慢し続けるのも辛い。この正体不明の悪臭との、静かな戦いが始まった瞬間でした。 まず私が疑ったのは、シンク下を覗き込むと目に入る、排水管の構造です。うねうねと曲がりくねった灰色の排水ホースが、床に開いた穴へと吸い込まれていく部分。この床との接続部分に、もし隙間があったら、下水管からの臭いがダイレクトに上がってきてしまうのではないか。好評に高石市のトイレ専門つまり業者にはスピードがそう考えた私は、スマートフォンのライトを頼りに、その接続部分を恐るおそる観察してみました。すると案の定、排水ホースと床の穴を塞ぐためのゴム製のカバー(後で調べたら「防臭キャップ」という名前でした)が、少しだけずれて隙間ができていたのです。原因はこれかもしれない。私はひとまず、その隙間をビニールテープでぐるぐる巻きにして、応急処置を施しました。これで少しはマシになるはず、と期待したのですが、残念ながら臭いは完全には消えませんでした。 次に私が目をつけたのは、排水ホースそのものです。特に、アコーディオンのように蛇腹状になっている部分には、長年の汚れやヘドロが溜まりやすいと聞いたことがありました。そこで、ドラッグストアで市販のパイプクリーナーを購入し、シンクの排水口から流し込んでみることにしました。規定の時間放置し、大量の水で洗い流す。これも、ある程度の効果はありましたが、根本的な解決には至りません。扉を開けるたびに感じる、あの澱んだ空気は依然として存在し続けていました。この時点で、私は「これは自分の手には負えないかもしれない」と感じ始めました。特に、排水ホースとシンクの接続部分から水が漏れている形跡はなかったものの、もし内部のパッキンなどが経年劣化していたら、それはもう素人が手を出せる領域ではありません。 そして、私はついに決断しました。それは、賃貸暮らしの住人にとっての最終手段であり、最強のカードでもある「管理会社への連絡」です。設備の不具合は、自分で何とかしようとせず、プロに相談するのが一番だと考えたのです。電話で状況を説明すると、意外なほどスムーズに話が進み、数日後には専門の業者さんが点検に来てくれることになりました。やってきた業者さんは、手際よくシンク下をチェックすると、すぐに原因を突き止めました。私が応急処置をした防臭キャップのずれも一因ではありましたが、根本的な問題は、排水管の奥、壁の内部で汚れが固着し、水の流れを悪くしていたこと、そして排水ホースを繋ぐ部分のゴムパッキンが、経年劣化で弾力性を失い、わずかな隙間を生んでいたことでした。これらは、入居者にはどうすることもできない、建物の設備側の問題です。業者さんは専用の機材で排水管を高圧洗浄し、劣化したパッキンを新しいものに交換してくれました。もちろん、費用は貸主である大家さんの負担です。 作業が終わった後、シンク下の扉を開けても、あの不快な臭いは嘘のように消え去っていました。この一件で私が学んだのは、賃貸物件でトラブルが起きた時、自分でできる範囲のこと(清掃や簡単な補修)を試してみるのは大切ですが、決して無理をしてはいけないということです。特に、水回りの設備の不具合は、建物の構造や経年劣化が原因であることが多く、それは入居者の責任ではなく、貸主が修繕する義務を負っています。もしあなたが今、同じようにシンク下の臭いに悩んでいるのなら、まずは自分で確認できる範囲をチェックし、それでも改善しない場合は、ためらわずに管理会社や大家さんに相談してみてください。その一本の電話が、あなたの部屋の空気を、そしてあなたの心を、スッキリと晴れやかにしてくれるはずです。